コミュニケション不全症

E子先生から電話で呼び出し。ここのところすれ違いが多くて、一緒に飲んでなかったな。
スナックの扉を開けると、ぱっと華やかなというか、女性らしい洋服が眼の前に。AカップがCカップに見える素敵なワンピースに、すごくかかとの高いハイヒール、ピンヒールというのかな?
63「ワーEちゃん、すてきなワンピースだね」
E「この服、通販で買ったのよ」
スカートもふわりと広がるし、ウエストはしっかり細いし。何号なんだろう?ひょっとして7号かな。


「紫の炎」という芋焼酎で乾杯して再会を祝った。最近E子先生、コミュニケション不全症らしい。
E「ねえねえ、どうしたら6-30みたいに、いろんな知識をもてるの?」
63「6-30は雑学で幅広く浅くがモットー。モチ仕事は別やけど」
(どうせ6-30は雑学の知識はモテても、女の子にはモテませんよ。フン)
E「私なんか知識がないから、全然話もできないのよ」
63「別に話ができなくても、相手のお話を聞いてあげればいい。100%は無理でも、相手の10%を理解しようと心がけるだけで違うよ。一所懸命に聞いていることが分かると、一所懸命にお話して頂ける。」
悩みが深いのか眉間に縦皺のE子先生。
63「だめだめEちゃん。いつも笑顔でなけりゃ。その縦皺さえ無けりゃ美人なんやから。笑う門に福来るだよ。笑顔をあげると笑顔がかえってくるから」
E「アリガトー6-30。嬉しいよ」


E「絵とか音楽とか映画とか何も知らないのよ。お話を聞く事さえできない。6-30はどうやって知識を身に付けたの?」
63「最初は耳学問。何も知らないから他人の言う事を一所懸命に聞いて、分からない事は質問する。そうすると、一杯教えてもらえる。さらにインターネットかなんかで自分なりに調べて覚える。絵とか音楽は若い時に本物を見たり聞いたりしておくといいよ。フェルメールなんかも本物を見ているとお話をする時の迫力が違う。ピカソルノワールなんかも若い頃のデッサンのしっかりした絵が好きだな」
E「美術館て、なんか行きにくい」
63「教育テレビで日曜美術館みたいな番組で解説付きを見て気にいったら、本物を見に行けばいいんだよ。暇だったらつきあってもいいよ」
E「ワー本当?映画も全然見ないから、話につきあえない。冬のソナタも知らないのよ。どんなお話?」
63「映画は話題になりそうなのは1作目は見る様にしている。2作目は見ていなくてもある程度お話は分かるから、見てきた人に一杯聞かせてもらえる。相手も喜んで話すよ。冬のソナタは毎週見てる。日本では珍しい純愛というか、片想いの連鎖。兄弟やから結ばれぬ二人。エロい場面はないよ」
E「6-30も努力してるんだ。一人で映画見に行くんだ」
(どうせ、映画見に行こうとデートに誘う女の子はいませんよ。フン)


あのねー、何も知らないからって、それだけ他人を傷つけるような事をサラリと言うのは、コミュニケーションが成立しません。コミュニケション不全症。知識以前に相手の立場で物を考える訓練しなきゃ。