初夢

1/1の夜というか2日の朝見る夢が初夢。初夢に見ると縁起がいいと言われるのが「一富士(いちふじ)、二鷹(にたか)、三茄子(さんなすび)」。これは駿河の国(静岡県)のことわざで、いわれは色々あるけれど、徳川家康駿河国にいた頃からのものらしい。江戸時代には定着していた。
 
さらに続きは「四扇(しおうぎ)、五煙草(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)」
何でやろなと思ったけど、扇は舞妓はんが踊で使うやろ。煙草は芸者が吸うものやし、座頭は弾き語りする法師のこと。お正月を楽しく盛り上げるものかな。

 
いわれとしては
ある時、将軍が駿府城で「この初茄子の価(あたい)はいくらか?」とお訊ねになられました。初物はそれなりに値段が高いものですから、あまりに驚かれたのでしょう。「価(あたい)の高きをいわんとて、まず第一に高きは富士なり、その次は愛鷹(足高)山なり、その次は初茄子なり」とおっしゃったのだそうです。

  • 駿河国での高いものの順。富士山、愛鷹山、初物のなすの値段
  • 富士山、鷹狩り、初物のなすを徳川家康が好んだことから
  • 富士は日本一の山、鷹は賢くて強い鳥、なすは事を「成す」
  • 富士は「無事」、鷹は「高い」、なすは事を「成す」という掛け言葉

という説があるけど、面白いのは、

  • 「富士」は曽我十朗・五朗兄弟が富士の裾野で工藤裕経に仇討ちを果した。
  • 「鷹」は浅野内匠頭の紋所が鷹の羽を意味する所が赤穂47士の仇討ち。
  • 「茄子」は荒木又右衛門・渡辺数馬の仇討ちが茄子の産地、伊賀上野だった。

というふうに、日本3大敵討ちがかなって大願成就で縁起がいいんだって。

たしかにナスは女性にとっても色々と役立つものらしくて、あの黒くて太くて長くて固いのは、マッタケなんかよりもいいのでしょうね。いやキュウリのイボイボ付きの方がいいって?それは使用後にも色々料理ができるところがいいんだってば。いったい全体何の話だ?
殿様の籠の通り道の塀に大きなマッタケの落書きがあって。家来が慌てて消そうとゴシゴシ擦っていたら、籠の中から殿様が「よいよい、放っておけ。擦れば擦るほど大きくなるものじゃ」という笑い話を思い出した。