スキー

彼女は雪国の出身。でも小さい頃は貧乏だったからソリ組だったんだって。
小学生の体育の時間、金持ちの子はスキーをもってスキー場へ。彼女たちソリ組は、はお父さんの手作りの竹でつくったソリで学校の裏山へ。滑走面には金属が当ててあって、3人くらいが乗れる本格的なソリ。でもブレーキはないから、止まる時は先頭の子のかけ声に合わせて横に転ぶ。そうしないと、そのまま川の中にドボン。スピードが付きすぎて止まり切れずにソリだけ川にはまるのはしょっ中。中にはソリも作って貰えないような子もいたけど、みんなが仲良く遊んだって。

彼女は就職してから、大勢でスキーに遊びに行くようになった。上手な人にポイントだけ指導されて、かなり滑れるようになった。でも我流だから、一度だけでもスキー学校に入ってみたいと思っていたんだ。自分の実力がよく分からないから、プロが指導するの中級のスキー学校に入った所、生徒が初級者ばかり。パンフに書いてある内容は全然教えてもらえない。1日目が終わった時につまらないと正直に言ったんだって。先生の逆鱗にふれて、翌朝一番のリフトで頂上に連れてかれて、30センチの新雪の中を黙ってついてこいと。必死になってなんとかついて行ったけど、麓にたどりついた時は脚はがくがく。あごは上がったまま。あとで考えたらウェーデルンができたんだよね。すぐその場で中級を追い出されて、上級へ行けって先生。生徒もみんな見栄はってひとつ上のランクのスキー学校にはいるんだよね。JAFは滑らせてクラス分けするけどプロは違うみたい。
そういえば、高山出身のインストラクターの資格を持っている先輩が、新雪でまともに滑れたら一人前って言っていたな。今度彼女にスキーを教えてもらおうと。その前に体力を付けておかないと、ゲレンデに置いてけぼりにされるかも・・・