人間

居酒屋に暖簾がさがっていない。やばいと思って戸をあけてみたら珍しくママが早い時間から来ている。マスタがいよいよくたばったか?イスの上で寝ているマスタをのぞきこんだら、気配を察して目を覚ました。昨日はママとI子ちゃんと一緒にタクシーで帰ったから、今日は徒歩で新宿まで。店へ着いたら、しんどくてカウンターのイスを並べて横になってしまった。ミナタンをマスタの監視に残して居酒屋はお休み。

ということで、お隣のスナックで6時から飲む羽目に。さいわいYJさんが早めに来てくれた。銀子ママに惚れて通って20年だとか。他にお客がいないから、ママとの会話が弾む。
ママ「ドラマなんか見ていて、権力欲とか名声欲があって葛藤する訳だけど、やっぱり最後は人間(性)よね」
YJ「自分にないものをどこか、ちょっとでもいいから持っている人間は認める」
全面的に信頼するんじゃなくて、個性というか一人前の人間として認めるということらしい。
6-30の小さなおつむでは理解しきれへんけど、なんか心に残ります。

この前還暦になったから、退職後は何か打ち込めるものをやりたい。というYJさん。お仕事に関係が近いのは、どうもイヤみたい。一応博士号もあって、会社でもその部門のトップになる所までいってるから。極める所まで到達されているんでしょうね。音楽とか陶芸みたいな趣味に生きたいそうです。でもゴルフだけは絶対にやらない。役員仲間からどんなに誘われても。付き合いが悪いと言われても。その理由を初めて知りました。YJさんは北海道育ち。小さい頃から昆虫が好きで、ジョウザンミドリシジミが生息している野原でよく遊んでいたそうです。その野原がある日突然ゴルフ場に変わってしまった。絶対許せない!!

YJさんの自宅の窓から見えるバードウォッチングの小屋の写真を見せて頂いた。紅葉がとってもきれい。
YJ「昆虫館の学芸員もいいかな」
ママ「絵とか書道も、なかなかいいわよ」
YJ「ママみたいに短歌や俳句でも、いいかな」
奥様は、「あなたが仕事やめたら、私も主婦やめさせてもらって、自由に外出する」と宣言されているそうです。ついてこないでって。とてもユニークな方ですね。いかにもYJさんのお好みのタイプ。
お子さん達は親のやっていなかった事を見つけては挑戦されているそうです。

執行役員は定年がないから、まだまだ現役でご活躍ください。