独りよがり

N先生のお友達の音楽の先生。「卒業生を送る会」のピアノ演奏に立候補してきた女の子がピアノの蓋の開け方も知らなきゃ、楽譜も用意していない。弾かせてみたら、まともに弾けない。真面目な先生だから「もっときちんとしなきゃ」と怒ったらしい。翌日親が「子どもが先生にいじめられた。校長と一緒に謝りに来い」。親は医者で、実は子どもは私学進学の為の塾通いで、ピアノはほとんど練習していなかったらしい。そんなことはお構いなしに一方的に「子どもが泣いて帰って来たのは先生が悪いから謝れ」という言い分。

 
自分がお山の大将でみんな言うことを聞くのが当たり前だと思っているらしい。まあ学校の先生も似たようなもので、クラスの中では一番偉いから独りよがりになる先生ほど、親とぶつかりやすいみたい。その先生は何故叱ったのかということも聞いて貰えず、悔し泣きしたらしい。そうやって甘やかすのが、子どもができそこなう原因やけど、そういう親ほど子どもが問題を起こした時に学校の先生に責任を押しつけますね。

 
親が学校の先生を馬鹿にしていると、子どもはそれを見習って先生の言うことを聞かなくなる。先生の方に問題がある時も多いけど、それ以上に親にも問題がありますね。普段「先生」と呼ばれている教師とか医師ほど自分が正しいと思って他の人の言う事をきかないですね。それもデータを無視して自分の先入観だけで主張してくる。周りの子どもに対する教育的配慮なんて全然ない。自分のプライドに対する利己主義だけですね。その子供さんも被害者かも。

 
小学校の担任の先生は、母親よりも子どもと接している時間が長いですよね。それだけ影響力が大きいから親も真剣に善し悪しを見極めようとしている。ただその基準が「学歴」とか「子どもの有無」?人間性とか教え方とかは、あまり問題にならないみたい。親が子どもを使って「先生はどこの大学出?」と聞いてくると、N先生は「○○の大学」と答える。実は○○大学出た後、先生になってから内地留学で大学院も卒業しているから、学歴詐称に近いな。親に妬まれないようにかな。

 
自分の子どもがいなくてもN先生の様に子ども好きで教育熱心な人もいれば、子どもがいても他人の子の教育には不熱心な先生も居るわけで、「子どもの有無」が人間性とか教え方の上手下手には関係ないと思います。でも子どもがいないと一人前ではないと思う親が多いですね。もっとも小学生の保護者は兄弟でも無い限り通常は子どもか孫がいますから、子どものいない人の気持ちが分からないようです。

 
もちろん母子家庭とか父子家庭とかいろいろありますけど、両親がいるからシアワセとは限らない。給食費未払いでお祖母さんが子どもに持たせたら、取り上げてパチンコに注ぎ込んだ親とか。教育というのは社会全体の問題だと思います。仕事を続けながら安心して子どもが産める。そしてみんなが協力して子どもを見守りながら育てる。そこではじめて社会が成立すると思う。自分一人で生きているのではないという事に気づかないと犯罪もなくならないし、道徳なんて成り立たない。